ノートPCのゲーム環境

前章までは詳しく書きませんでしたが、ここで注意していただきたい点があります。
それはノートPCのGPUについてです。

お手持ちのノートPCをDxDiagツールで調べた際や、メーカーのスペック表を見たとき、GPUの製造元がNVIDIAかAMD(=ATI)であるにもかかわらず、DxDiagの「ディスプレイ」タブにある「チップの種類」、あるいはGPUの製品名に、「Xpress」「IGP」という単語や「5075」「6025」などの中途半端な数字が含まれていなかったでしょうか?

実はこれらは、ノートPC向けのNVIDIAかAMD製の”グラフィックス機能統合チップセット”を示しているのです。
GPUの製品名はデスクトップPC向けとノートPC向けとは微妙に製品名が異なり、NVIDIAとAMDも、IntelやSiS、VIA Technologiesと同様、グラフィックス機能統合チップセットを製品として世に送り出しているのです。

NVIDIA&AMD製グラフィックス機能統合型チップセットとは?

NVIDIAおよびAMDのグラフィックス機能統合型チップセットには一見、デスクトップのGPUのような製品名が与えられています。
NVIDIAなら、「GeForce 7025」「GeForce 6100」で、AMD製では「ATI Radeon X1250」「ATI Radeon 9100 IGP」「ATI Radeon Xpress 200M」といった具合。

これらのチップの肝心の性能はどうかというと、IntelやSiS、VIA Technologies製のグラフィックス機能統合型チップセットとほぼ同じか若干上といった程度で、最低限の3Dグラフィックス表示機能か、それより少し上といえる程度の性能しか持っていないのです。
これでは、最新3Dゲーム機と同等の3Dグラフィックス表示機能は望むべくもありません。

どういうGPUなら、ゲーム向けのノートPCといえるのでしょうか?

NVIDIA製のノートPC向けGPUは、第7世代といわれる時代までは「GeForce Go 7800 GTX」といった具合でブランド名と4桁数字の間に「Go」が入り、チップが進化した第8世代では4桁数字のすぐ後ろに「M」が付く「GeForce 8600M GT」という表記法がされています。
一方AMD製GPUの場合、ブランド名の間に「Mobility」が入って「ATI Mobility Radeon HD 2600 XT」となるような形が、続いています。

今現在、ゲーム向けのノートを選ぶならGeForceであれば「M」の入った製品を、そしてAMDなら「ATI Mobility Radeon HD~」が3D性能の高い製品といえますので、購入の際はその点に注意されると良いでしょう。

デスクトップとノートパソコンのGPUの違い

デスクトップPC用とノートPC用では、3Dグラフィックス表示機能(=性能)にかなりの違いがあります。例を挙げて簡単に説明しますと、GeForce 8600 GTとGeForce 8600M GTの性能、ATI Radeon HD 2600 XTとATI Mobility Radeon HD 2600 XTの性能は異なり、一見同じように思えますが、ノートPC用GPUのほうが、デスクトップPC向けGPUよりも性能は低くなっているのです。

ノートパソコンの3D性能はどうして低めなのか?

結論から言うとノートPCの場合、発熱と消費電力を抑えなければならない構造であるため、といえます。3Dグラフィックス表示機能が上がると発熱と消費電力が大きくなるというのは、稼動しているPS3やXbox 360本体に触れたことがある方なら、ご理解していただけると思います。

部品を筐体にコンパクトにまとめなくてはならないノートPCでは、発熱が大きくなると、大きな冷却ファンが必要になり、それに応じてPCのサイズが大きくなり、また消費電力も高くなるのでバッテリー駆動時間は短くなってしまう…というわけで、ノートPC用GPUの性能は、どうしても低めに抑えられているのが現状です。

デスクトップ向けのGPUを、そのままノートPCに搭載するのは、サイズからして無理なので、筐体に格納できる程度まで発熱や消費電力を抑えているため、ノートPC用のGPUは、デスクトップPC向けのものに比べて性能が下がってしまうのです。

どれくらい消費電力や発熱量を落としてノートPCを作るかは製造メーカーの判断次第。日本ではPCゲーマーが少数派ということもあって、どうしても3D性能より、バッテリー駆動時間やスリム化した本体といった部分が優先される傾向にあります。
結果、ノートPC用GPUは、デスクトップ用GPUと比べて性能が劣るため、一般的に「ゲームするならデスクトップにすべき」といわれてしまうわけです。

ただ、ノートパソコンのGPUも省電力化と発熱を抑えた、性能の良いものが造られてきていますので、 先に述べたとおり、ゲーム向けのノートを選ぶならGeForceであれば「M」の入った製品を、そしてAMDなら「ATI Mobility Radeon HD~」が入った製品を選べば、FPS以外の3Dゲームなら快適にゲームを楽しむことが出来るようになっています。

※上記は2008年当時の記事であり、今は統合チップセットの性能も上がり、GPUが搭載されていないノートパソコンでも3Dゲームが動くようになってきました。
「ウルトラブックの能力」の項にそのあたりのことが書いていますので今現在ではそちらの記事をご参照ください。

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